病期(ステージ)及び進行度(グレード)(その2)

 核の画像を含む臨床病期(ステージ)は、しばしば、特にあまり分化していないがん及びより深達度が高い浸潤のあるがんにおいては、腫瘍の浸潤範囲を過少評価しています。130名の膀胱切除術を受けた患者の病期(ステージ)の精度を再調査した研究において、全体の臨床の病期(ステージ)の誤りは61.5%で、このうち、がんの41.5%は病期(ステージ)を低く判定していました。上皮内がん患者のうち60%は、pT1の腫瘍よりも大きな範囲であることが発見されました。作者は、分類における臨床の誤りが一般的で、ネオアジュバント治療の評価を損なっていると述べました。このことは、これらの患者が即座に膀胱内化学療法に反応しないときの侵襲的な接近方法を支援します(3)。

 膀胱鏡検査は非常に信頼できる後追いの器機ですが、それはまた小さな範囲の誤差があります。残念がら、微細な転移を検出するのに十分に正確な信頼できる検査方法はありません。生体組織検査は取り除かれた組織におけるがん細胞を検出することができますが、これは後追いの侵襲的で、高価で不快な方法であり、定期的にいつも実現可能でも、賢明でもなく、生体組織検査処置及び経尿道的膀胱切除術(TUR−尿道に挿入された膀胱鏡を通しての腫瘍の切除)を通してのがん細胞の再拡散がかなり懸念されます。将来は有望ですが、同じくらい新しい尿マーカー検査及びバイオマーカーが、より早い発見及びスクリーニングに役立つ可能性があります。

 膀胱腫瘍の病期(ステージ)を説明する明瞭な図表を含む論文については、泌尿器科医協会からの膀胱がんの病期(ステージ)及び進行度(グレード)を御覧ください。http://www.associatedurologists.com/bladder.html

 米国対がん合同委員会(AJCC)は、膀胱がんを定義するためにTNM臨床分類による病期(ステージ)決定を指定しました。

 T=原発のがんの広がり(深達度など)、N=がん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり、M=原発から離れた臓器への遠隔転移

 TX  原発腫瘍が評価されていないとき
 T0  腫瘍なし
 Ta  がんが粘膜内にとどまる
 Tis 上皮内がん(CIS)
 T1  がんが粘膜下結合組織まで浸潤
 T2  筋層浸潤があるもの
 T2a 筋層の半ばまでの浸潤
 T2b 筋層の半ばを越えるもの
 T3  膀胱周囲脂肪組織への浸潤があるもの
 T3a 顕微鏡的浸潤
 T3b 肉眼的浸潤(壁外に腫瘤があるもの)
 T4  腫瘍が周囲臓器(前立腺、子宮、膣、骨盤壁、腹壁)のいずれかに浸潤するもの
 T4a 前立腺、子宮あるいは膣への浸潤
 T4b 骨盤壁あるいは腹壁への浸潤

 N=がん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり、M=原発から離れた臓器への遠隔転移(※)

 (※)訳注
 N  所属リンパ節転移
 NX 所属リンパ節が評価されていないとき
 N0 所属リンパ節転移なし
 N1 2cm以下の一個の所属リンパ節転移を認める
 N2 2cmを超え5cmまでの一個の所属リンパ節転移、又は5cm以下の多数個の所属リンパ節転移を認める
 N3 5cmを超える所属リンパ節転移を認める
 M  遠隔転移
 MX 遠隔転移の有無不詳
 M0 遠隔転移なし
 M1 遠隔転移あり

 病期(ステージ)0 Tis又はTa、N0、M0
 病期(ステージ)I  T1、N0、M0
 病期(ステージ)II T2a、N0、M0又はT2b、N0、M0
 病期(ステージ)III T3a、N0、M0若しくはT3b、N0、M0又はT4a、N0、M0
 病期(ステージ)IV T4b、N0、M0、すべてのT、N1−N3、M0、すべてのT、すべてのN、M1

 泌尿器科医協会:米国対がん合同委員会(AJCC):AJCCがん病期(ステージ)診断マニュアル、ペンシルバニア州フィラデルフィア、リッピンコット・レーヴン出版社、第5版、1997年、pp241‐246

参考文献
1 浸潤性膀胱腫瘍の提案された簡素化した病期(ステージ)分類
  ニューヨーク、メモリアル・スローン・ケタリング記念がんセンターヘルHW外科部、N.Y.Urol Int 1993;50(1):17-20 PMID8434421 UI:93166596

2 Ta、T1膀胱がん:私たちは、EORTC(欧州がん研究・治療機構(European Organization for Research and Treatment of Cancer))の臨床試験から何を学ぶことができるか?
  オランダ、デンボス、APMファン・デル・メイジュデン泌尿器科、ボッシュメディセントリムhttp://www.urol-int.org/Sep97/Clinical/clinical.htmUrology International

3 膀胱の移行上皮がん及び化学療法の効果のための根治的膀胱切除術の結果
  フロリダ、マイアミ医科大学ルーY泌尿器科、ソロウェイMS、ロペスAE;パテルJ;がん1994年4月1日;73(7):1926年-31年のPMID:8137219 UI:94184931

 出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
 このページは、2008年3月8日土曜日に最終修正が行われました。
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原本:2007.07.06 09:35
更新:2008.06.16 06:39

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