膀胱がん組織学―希少な腫瘍(その2)
小細胞がん
小細胞がんは、より一般的に肺小細胞がん同様の組織像を示し、細胞は内分泌物腺のような特徴があります。小細胞がんは希少な悪性のものです。1985年から2002年までの間にMDアンダーソンがんセンターでこの疾患を治療した88名の患者の治療記録を再検討することによって、小細胞がんについての新しい多くの理解が得られました。専門の研究者が、ネオアジュバント化学療法(訳注:進行がんなどに対し手術に先立って施行する化学療法)に反応した患者は、その後、がんはPT2のステージ又はそれ以下になり、100%近くの治療率になったと報告しました。急速な回復率及びがんの病期(ステージ)が下がる兆しがあることから、ネオアジュバント化学療法が重要であるという明白なエビデンス(科学的根拠)があります。小細胞がんは化学療法に非常に良く反応します。多剤療法は有益です。それに非常に感受性が高いことが明らかにされました(10)。
ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターは小細胞がんのために次の臨床試験を実施しています。尿路上皮の小細胞がんのためにVP−16及びシスプラチンと交互に使用するイホスファミドとドキソルビシンの第2相試験。この臨床実験は、希少で悪性の種々の膀胱がん患者のためのものです。研究責任者:ランドル・ミリカン プロトコル番号DM00-039
小細胞がん及び尿膜管がんのためにMDアンダーソンがんセンターで臨床試験を議論しているページは、ここをクリックしてください。
横紋筋肉腫(訳注:横紋筋芽細胞由来の悪性腫瘍)
ここの腫瘍の種類は、柔らかい組織又は結合組織(たとえば、腱又は軟骨)から始まり、体の中のどこにでも発生することができます。悪性非上皮性腫瘍(横紋筋肉腫)は、子ども(平均すると5歳の年齢に発現)の尿生殖器管の最も一般的な腫瘍ですが、希に成人に発見されます。2006年に泌尿器学ジャーナルは、過去20年に子供の治癒率はほぼ80%、膀胱温存率は60%となり、素晴らしい進歩が見受けられたと報告しました。膀胱の前立腺悪性非上皮性腫瘍(横紋筋肉腫)の治療は、化学療法、放射線療法及び外科手術による膀胱保存による臓器温存を含む多岐の療法が発達しました(11)。
肉腫様腫瘍
肉腫様腫瘍は、主に皮、腱、筋肉、骨及び軟骨を含む結合組織から生じます。膀胱のがん肉腫(訳注:がん腫と肉腫の要素を合わせもつ悪性腫瘍)は希な腫瘍です。このような腫瘍の大多数は、かなり進行するまでは診断されません。症例が少ないため、客観的に証明された対応方法が全然ありません。膀胱の表在性移行上皮がんと対比すると、膀胱の表在性がん肉腫は、粘膜のがん変性に加えて、潜在的な粘膜下組織のストロマ(訳注:赤血球などの無色の細胞膜)の変性がまた存在していることから、いつも粘膜固有層に浸潤しています。経尿道的切除術又は膀胱部分切除術などのどのような部分的な外科手術でも、完全に腫瘍を除去できないというリスクを伴っています。したがって、根治的膀胱切除術は、表在性膀胱がん肉腫及び浸潤性膀胱がん肉腫の選りすぐりの治療であるようです。 がん肉腫(肉腫瘍がんの成分となる腫瘍)から肉腫様がん(がん肉腫紡錘体の成分となる腫瘍)を分離する臨床の有用性は不確かです。1998年からのドイツの再調査は、膀胱のがん肉腫と肉腫様がんが組織学の所見及び治療にかかわらず、同様の結果を伴う非常に活発な悪性腫瘍であるという結論に達しました。病理学の病期(ステージ)は、生存の最善の予兆です(13)。
未分化がん
未分化がんは、すべての膀胱がんの1%程度を占める別の希な腫瘍です。未分化がんは、がん細胞が未分化なので成長上皮(膀胱粘膜)細胞の形を全く示しません。数種類は、肺に発生するかもしれない小細胞がんのように見える「小細胞」の要素を持っています。膀胱の小細胞がんが確認されるならば、患者はまず肺がんの検査を受けるべきです。肺の初期の小細胞がんは膀胱に転移したかもしれず、未分化がんのように見えるかもしれません(14)。
平滑筋肉腫
平滑筋肉腫は通常平滑筋起源の悪性腫瘍です。平滑筋肉腫は一般に平滑筋が起源の悪性腫瘍で、きわめて希(症例の0.5%未満)で、悪性膀胱腫瘍の種類の一つです(15)。歴史的に患者の生存は難しく、管理は多様な治療養生法を行った相対的に少数の症例から得られた情報に基づいています。化学療法及び放射線療法の効力が不明瞭であり続けるので、腫瘍位置及び大きさが適切な場合は、根治的膀胱切除術又は膀胱部分切除術が治療の最良の選択肢です(16)。
2007年9月更新
このがんのための化学療法の報告:「独自の治療法式を伴うネオアジュバント化学療法のほぼ完全な病理学の反応:ゲムシタビン及びドセタキセル。このアンスラサイクリン(訳注:ストレプトミセス属の放線菌。特に Streptomyces peucetius から得られる抗腫瘍薬の一つ。ダウノルビシン、ドキソルビシンなど)−温存療法は保証されます」(30)
微小乳頭状膀胱がん
微小乳頭状尿路上皮がんは、高い転移の可能性によって腺がんと関連していると考えられている希な(0.7%)組織学上の種類の一つです。通常は進行した進行度(グレード)の移行上皮がんとともに発見され、良性の膀胱粘膜の下で拡散したがんとして判明することから検出することが難しいという点で、この種類は浸潤性移行上皮がんと異なる活動をします(17)。微小乳頭状膀胱がんの病巣は予後不良に関連するので、この存在の認識は重要です。治療結果についてのデータ不足のため、非筋肉浸潤微小乳頭状未分化がん患者はしばしば膀胱保存の試みにおいて膀胱内の治療を受けます。しかしながら、最近のMDアンダーソンがんセンターの専門家の研究は、BCG(結核ワクチン)が病期Ta及びT1の微小乳頭状膀胱がんによる病変には作用せず、進行が起こる前の早い段階の膀胱切除が治療の最良の選択肢であることを報告しました(18)。
出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
このページは、2007年9月17日に最終修正が行われました。
This is a tentative Japanese translation of Bladder Cancer WebCafe. http://blcwebcafe.org/raretypes.asp
膀胱がん組織学―希少な腫瘍(その3)
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原本:2007.06.07 17:42
更新:2007.12.27 08:15
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