膀胱がん組織学―希少な腫瘍(その1)
移行上皮がん以外には、わずか5〜10%だけの膀胱腫瘍がありますが、これらの腫瘍タイプは希少なため、治療に関する科学的データはほとんどありません。非移行型上皮膀胱腫瘍は、治療効果があまり良くなく、その活動はより悪性であると考えられています。診断時の腫瘍の病期(ステージ)及び進行度(グレード)は最も重要な予後(訳注:病気からの生存と回復の予測)予測の指標と考えられます。例外はありますが、ほとんどの専門家は、希少な膀胱がんの最初の治療の最良の選択肢として根治的膀胱切除術(膀胱摘出)を選ぶでしょう(1)。例外は、リンパ上皮腫瘍がん、尿路上皮乳頭腫及び内反型尿路上皮乳頭腫などのほかの希少な腫瘍よりも悪性ではないものです。
正しい病理学検査は、希少な膀胱腫瘍の治療の最良の選択肢及び接近方法を考慮するときに最も重要です。できれば、診断、病理学検査又は治療について、非移行型上皮がんに関して十分な経験がある優れた中核的ながんセンターに行きセカンドオピニオンを求めることが賢明です。
テキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターの専門家は、小細胞がんと尿膜管がんのために現在(2006年)臨床試験を実施しています。
- 扁平上皮がん
- 膀胱腺がん
- 尿膜管がん
- 小細胞がん
- 横紋筋肉腫
- 肉腫様腫瘍
- 未分化がん
- 平滑筋肉腫
- 微小乳頭状膀胱がん
- 膀胱褐色細胞腫
- リンパ上皮腫様がん
- 内反性乳頭腫
- 尿路上皮乳頭腫
- 形質細胞様肉腫
膀胱がんにおいて発見された希少な組織解剖学的細胞種類
扁平上皮がん(訳注:扁平上皮細胞からなる又はこれから生じたがん)
このタイプのがんは、扁平上皮細胞と呼ばれる上皮の重層の平坦型の細胞に影響を与えます。膀胱がんの扁平上皮がんは、一般に何年にもわたる慢性炎症又は刺激作用(留置カテーテル)の後に発生します。扁平上皮膀胱がんが発見されるときには、一般的に進行した病期(ステージ)となっています(2)。これは、膀胱がんの中では2番目に一般的なものですが、それが工業諸国の中の症例のわずか2〜5%を占めています(3)。扁平上皮膀胱がんは熱帯性気候の地域においてより頻繁に発見されており、ビルハルツ住血吸虫の寄生虫に関係があります。これらの寄生虫は、ビルハルツ住血吸虫の成虫が膀胱内の血管にあることから、住血吸虫膀胱がんとなり得る尿住血吸虫住血生物と呼ばれる状態を引き起こします。この腫瘍は地方のビルハルツ住血吸虫のまん延による流行病であるため、エジプトの成人男性の中で発見されたがんの最も一般的なものです。リンパ節への影響と同様に腫瘍の病期(ステージ)と進行度(グレード)は生存に対して最も重要な影響があります(4)。ビルハルツ住血吸虫に関連した膀胱がんの転移は珍しいものですが、骨は最も一般的な転移先です(5)。
膀胱腺がん
膀胱腺がんは、すべての膀胱がんの診断のうち2%のもので、腺がん細胞は腺の特徴があります。腺がんは充実性腫瘍として発生するかもしれませんが、現実には上乳頭状(いぼ風)であることが多いようです。
腺がんは、3つの範疇に分類できます。
ー原発性膀胱がん(本来の膀胱を含みます。)
ー尿膜管がん‐膀胱の外のへそ及び尿膜管を含みます。
ー転移性がん‐膀胱の中で成長するために原発となる腫瘍から分離したがん細胞。最も一般的な転移性の腺がんは、前立腺がん、卵巣がん及び大腸がんから来ます。
多くの腺がん、尿膜管又は原発がんは、診断時には進行しています。英国の研究者によると、尿膜管型及び通常型の腺がんに対する放射線療法は効果的ではなく、根治的膀胱切除術が最適な治療です。根治的膀胱切除術後の予後は、しばしば通常型腺がんについては良好です(6)。がんの病期(ステージ)と進行度(グレード)は結果の強力な予後の予測の判定基準です(7)。
尿膜管がん
尿膜管がんは、膀胱の外に影響を与える希少な腫瘍です。尿膜管がんは、一般的により若い患者、女性に発見されます。腫瘍は腺がん、扁平上皮細胞がん(SCC)又は肉腫(訳注:上皮組織以外の母組織から発生した固形悪性腫瘍)さえも含めて分類された組織から構成されているかもしれません。尿膜管がんは尿に粘液又は血を出すかもしれませんし、また、エックス線画像では点(斑)又は「点刻」として現れます。尿膜管がんは、しばしば予期されるより広く、より深く、治療しづらく、それらは、転移し、再発する傾向があります(8)。尿膜管がんは、発見された段階で、しばしば局所部分に進行しており、それは遠隔転移の危険があります。しかしながら、根治的膀胱切除術後の長期の生存は、可能な限りマージンネガティブ(切除した組織周辺部にがん細胞が見られない)の試みを支援した患者たちの重要な少数(MDアンダーソンがんセンターのこれまでの治療患者35名中の16名)に見出されます。原発の腺がんの種類への化学療法は所要の効果がありますが、生存率の確実な増加につながるかどうかについては証明されていません(9)。ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターは腺がん・尿膜管がんの次の臨床試験を実施しています。尿路上皮がん及び尿膜管がんのための5―フルオロウラシル、ロイコボリン、ゲムシタビン及びシスプラチンの第2相試験。研究責任者:アーリン・シーフカー=ラドトケ プロトコル番号ID03-011
出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
このページは、2008年6月15日日曜日に最終修正が行われました。
This is a tentative Japanese translation of Bladder Cancer WebCafe. http://blcwebcafe.org/raretypes.asp
膀胱がん組織学―希少な腫瘍(その2)
トップ 4 新たに診断された方へ
sこのサイトを紹介
w管理者へのメール
181809
原本:2007.06.07 17:42
更新:2008.09.21 09:31
このサイトは、米国国立がん研究所が公認する患者運営サイトBladder Cancer WebCafe(膀胱がんウェブカフェ)の日本語翻訳公開許諾を得て、ガンファイターが作成したものです。
翻訳精度については細心の注意を払っておりますが、その情報の正確性、通用性、完全性について、明示的であれ黙示的であれ、いかなる責任を負うものではなく、保証をするものではないことを御了承ください。また、内容に関する正確な情報を得るためには、必ず原文を御確認ください。