膀胱がんの化学発がん予防
概要
社会の広範囲に及ぶ支持に直面して、食事及び生活様式の変化は、ビタミン及びサプリメント(訳注:栄養補助食品)とともに、過去10年間に医学界により綿密で真剣に考察がなされてきました。
化学発がん予防(訳注:がんの発生や成長を予防するために化学物質を用いること。)
1980年代初頭に始まった米国国立がん研究所の化学発がん予防プログラムは、約60の進行中の臨床試験の25以上の化学合成物質を含む400以上の潜在的な化学発がん予防物質の研究について多大な努力をしてきました。化学発がん予防は、自然の物質又は人工の薬剤の使用により、がんの拡大又は進行を抑制又は阻止することです。膀胱がんの化学発がん予防の試みは、しばしば、個々の患者のがんになる前の病変又は過去のがんの治療歴に焦点を置きました。このような個々の患者は、いまだ診断されていないがん及び実際にがんの予防というよりもがんの治療を実際に受けているがんに罹患するかもしれません(1)。
一次予防は、がんの発生諸要因の特定及び回避を含みます。膀胱がんの発生率及びプログレッション(訳注:前がん状態の細胞が不可逆的に悪性度を高める発がん過程の一つ)に関係する諸要因は、化学物質(例:アニリン染料)への職業的暴露、喫煙、鎮痛剤(フェナセチン(訳注:フェナセチン (C10H13NO2) (=acetophenetidin)(かつて鎮痛薬・解熱薬とされたが、高血圧・心不全・がん・腎臓病などの副作用のために現在は使用されていません。)の服用又は人口甘味料の摂取、膀胱感染症、膀胱結石を含みます(「リスク要因」をまた御覧ください。)。喫煙は膀胱がんを発達させる最も強い要因ですが、肺がん及び心臓血管の疾病とは異なり、禁煙によりリスクが急に下がることはありません。
二次予防は、早期発見及び治療を目的とした個々人の集団検診を含みます。より早い段階でのがんの発見は死亡率を下げる結果になり得ます。ある科学的根拠は膀胱がんの集団検診の努力を支持するのですが、明確な死亡率は依然として前方視的に(訳注:臨床研究などで現時点から時間の経過に伴い進むこと。)調査がされていません。
有効な化学発がん予防物質は、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)をさほど変えないで、理想的に廉価で、安全で、十分に許容できるもので、一つ以上のがんを予防することにおいて効果的です。現時点で腫瘍はないが再発のおそれがある患者で化学発がん予防の研究に参加する何人かは、化学発がん予防の研究に参加する間に、予防と対照的に実際に治療を受けるかもしれません。結局、この予防物質が十分に許容され、以前に膀胱腫瘍があった患者の再発を防ぐことが証明されると、膀胱がんの発達のリスクがあるが、これまで腫瘍にならなかった者を対象に試験がされるでしょう。膀胱がんの化学発がん予防で使われた接近方法は、ビタミンの使用、ポリアミン(訳注:アミノ基を二つ以上含む脂肪族炭化水素)合成阻害及び食事の要因を含んでいます(1)。
臨床化学発がん予防試験の実施は、倫理的問題を提起し、臨床試験のこの新しいタイプの計画及び実施における臨床研究者を誘導すべき倫理的な考察の批評は「化学発がん予防試験の倫理的問題」という名称の論文に見ることができます。
ボーゲル博士及びパーカー博士の論文は、
「化学発がん予防の臨床試験の倫理は複雑です。なぜなら
(1)化学発がん予防は疾病管理と健康増進の交差点にあり、
(2)これらの試験に競合する利害の衝突があり、
(3)複数の評価はがんの発がん予防のリスクと恩恵の本質及び重要度を決める役割を果たしている、
からです。これらの試験に関する倫理的な問題は、がん患者より健康な人を対象とすること、試験対象者の秘密保持、「ハイリスク」の対象者を対象とすること、無作為抽出、インフォームドコンセント(訳注:説明と同意、説明に基づく同意(承諾)、治験モニタリング、結果と毒性との競合と関係があります。作者は、これらの問題が蓄積された臨床の経験及び進行中の化学発がん予防の臨床研究に伴う倫理的な熟考で解決されるであろう」と結論を下しています(2)。
参照
1.がん予防:食事及び化学発がん予防の役割
Peter Greenwald, MD, DrPH, Sharon S. McDonald, MS, Division of Cancer Prevention and Control at the National Cancer Institute, Bethesda, Md (PG) and The Scientific Consulting Group, Inc, Gaithersburg, Md (SSM) http://www.moffitt.usf.edu/pubs/ccj/v4n2/toc.html
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2.化学発がん予防試験の倫理的問題
Victor G. Vogel, MD, MHS, University of Pittsburgh Cancer Institute, Pittsburgh, Pa (VGV), Lisa S. Parker, PhD, Department of Human Genetics at the University of Pittsburgh (LSP) Cancer Control: JMCC 4(2): 142-149, 1997. c 1997 Moffitt Cancer Center & Research Institute
http://www.moffitt.usf.edu/pubs/ccj/v4n2/toc.html
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このページは、2007年10月15日月曜日に最終修正が行われました。
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原本:2007.05.13 22:24
更新:2008.02.11 10:26
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