女性と膀胱がん(その1)

 このページ:比較生存、喫煙、傾向、ヘアダイ(ヘアラカラー)、飲水の硝酸塩、早期閉経

リスクの増大?

 膀胱がんは、主に高齢者、白人男性に多く、女性には稀な病気と考えられていましたが、女性の膀胱がんのすう勢は婦人科のがんと比較すると稀なものではありません。
 先進国における女性のがん患者のすう勢
 膀胱がん―143,000名
 卵巣がん―162,000名
 子宮頸がん―189,000名

 2006年の米国の統計では、膀胱がんで亡くなる女性のほうが子宮頸がんで亡くなる女性よりも多いことが推測されます。

 膀胱がん患者の男女の比率は、3又は4対1で男性のほうが多いです。膀胱がんによる女性の5年全体生存率は78パーセントで、男性の10年間の全体生存率と同等です。膀胱がんによる女性の10年間の全体生存率は69パーセントで、男性の15年間の全体生存率と同等です。このことは、女性の膀胱がん患者は男性より5年間生存が短いということです。男性より6〜9か月診断が遅れている女性の膀胱がん患者の治療開始時期と男女間の不均衡な死亡率は、関連性があることがうかがえます(1)。

 共通のシナリオ:女性は、赤又は赤茶色の尿、排尿時の痛み、頻尿又は尿意があるのに出ないなどの症状を訴えて内科医又は産婦人科医に最初の治療を受けに行きます。最も共通した推測結果は、尿管の感染、抗生物質処置でしょう。

 次の情報を考えてみましょう。

 12,400名の米国人が2001年に膀胱がんで亡くなったと推測されます。女性は、男性の約2倍の方が膀胱がんで亡くなっています。女性の非常に多くの割合の方が、男性より進んだ病期(ステージ)で膀胱がんと診断され、このことが女性の高い死亡者数を上げる原因になっています(2)。

 さらに、女性の比較的遅い診断に加えて、高い死亡率の原因となるほかの諸要因は、たとえば、腺がん、小細胞がん、扁平細胞がんのような非移行上皮細胞がんの組織細胞(稀な細胞の種類)が女性に発生すること、高齢の女性の比較的弱い膀胱(より転移速度が速くなりがち)、男性と女性の間における高い進行段階の移行細胞腫瘍の比率の差異、男性より女性のほうが高い年齢で中央値を示すことなどを含みます。

 マイアミ大学の泌尿器科の専門家は、最近、女性の膀胱がんの注意を喚起する論文を発表しています。

 「私たちは、多くの患者に筋層浸潤膀胱がんが存在するかどうかを決定するため一連の根治的膀胱切除術の記録を再確認しました。1992年から1999年までの一回の外科手術による根治的膀胱切除術の184の記録を再確認し、病理学のプレゼンテーションのスライドを一人の病理学者が再確認すると、女性は男性より最初に筋層浸潤性がんと診断されることが多かったのです(女性85.2%、男性50.7%)。私たちは、膀胱がんに関連した兆候に関する一層の啓発、女性に焦点を当てた膀胱がんのリスクが高い女性の集団検診方法の検討などによる治療の充実を図るべきであるという考え方を支持します」(2)

女性の喫煙者は膀胱がんの高いリスクに直面しているかもしれません。

 南カリフォルニア大学のノリスがんセンターの研究員は、喫煙が原因となる膀胱がんのリスクは男性より女性が高いようであると報告しています。男性と女性が同じようにかなりの量の喫煙をしても、膀胱がんになるリスクは男性が30%なのに女性は50%です。米国における喫煙に関連した死亡者数の39%は女性ですが、これは1965年の倍の率です。喫煙の膀胱がんのリスクは、フィルター付きとフィルターが付いていないタバコ、低タールと高タールタバコ、深い吸引と浅い吸引のいずれにおいても差はありません(4)。

 ヨーロッパで同様の研究が行われ、喫煙期間により膀胱がんのリスクは、10年間以下の2倍から40年間の4倍になるという結論に達しました。禁煙をすると膀胱がんのリスクは急速に下がることが観察されました。禁煙後1〜4年にリスクはすぐに30%減るのです(5)。

 女性と男性が同等に高いレベルで喫煙する場合、女性の膀胱がんリスクは男性より30〜50%高いです。女性の健康研究協会

イギリスにおける女性の膀胱がんの急増に対する警鐘

 疾患の発生率は増えており(過去30年間に約60%)、不可解にもタバコとの関連性が不明確な若い女性の膀胱がん患者の集団が急増しています。
 「1971年から1998年までの間、膀胱がんの男性の発生率は16%、女性の発生率は37%まで増えています。通常、女性は男性より著しく低い生存率です。これらのパターンや傾向の理由は不明確です。年齢別集団による膀胱がんの発生率の傾向は、禁煙との関係は強くはうかがえず、ほかの要因によるものと思われます。若い女性の年齢別集団の膀胱がんの最近の発生率の上昇の理由に焦点を当てたさらなる研究が必要です」(出典:イングランド及びウェールズの膀胱がんの最近の傾向(ヘインD、J 泌尿器2004年9月:(172(3):1051-5. 概要))

 出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
 このページは、2007年9月16日日曜日に最終修正が行われました。
 This is a tentative Japanese translation of Bladder Cancer WebCafe. http://blcwebcafe.org/womenandbladdercancer.asp

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女性と膀胱がん(その2)

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原本:2007.05.12 15:30
修正:2007.12.28 08:35

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