尿マーカー(その8)
ヒアルロニダーゼ(訳注:ヒアルロン酸を低分子化する酵素)及びヒアルロン酸(訳注:直鎖状の高分子多糖体で、グルコサミノグリカンの一種。結合組織に分布し、眼球硝子体液・関節滑液中などに含まれます。)
泌尿器学ジャーナル(2000年―2001年)におけるこの分野の先駆者のVBロクスワー博士によって発表された3本の論文によると、ヒアルロナン(訳注:ヒアルロン酸の学術名)は、腫瘍成長及びプログレッション(訳注:前がん状態の細胞が不可逆的に悪性度を高める発がん過程の一つ)に直接関係しているようで、最近の報告は、膀胱がんを検出し、その進行度(グレード)を評価することにおいて、このマーカーが高い精度を持っていることを明らかにしました(9)。
ヒアルロニダーゼ(訳注:ヒアルロン酸を低分子化する酵素)及びヒアルロン酸(訳注:直鎖状の高分子多糖体で、グルコサミノグリカンの一種。結合組織に分布し、眼球硝子体液・関節滑液中などに含まれます。)は、腫瘍起因性血管形成の誘発と関連します。マイアミ医科大学泌尿器科のロクスワー博士及び同僚たちは、正常な人及びほかの泌尿生殖の条件又は低度(進行度(グレード1)の膀胱がん患者と比べると中間(進行度2(グレード2))から高度(進行度3(グレード3))の膀胱がん患者のヒアルロン酸(HA)、ヒアルロニダーゼの水準は、5から7倍上昇していたことを明らかにしました。尿のヒアルロニダーゼの水準の増加は、(進行度2(グレード2))・高度(進行度3(グレード3))の腫瘍組織において8倍高いヒアルロニダーゼから引き出された腫瘍の分泌物によります。膀胱腫瘍組織のヒアルロニダーゼは、腫瘍上皮細胞によって分泌されて、腫瘍細胞の浸潤性・転移性の可能性に関連します(5)。
あなたはマイアミウェブサイトの泌尿器科でロクスワー博士のページを読むことができます。
http://urology.med.miami.edu/urologic_research_research_projects.asp
2006年:ヒアルロニダーゼ(訳注:ヒアルロン酸を低分子化する酵素)更新
ヨーロッパ泌尿器学2006年号で出版された、不完全なTUR(訳注:経尿道的切除術)後に残るかもしれない残存腫瘍の検出のためのヒアルロン酸(訳注:直鎖状の高分子多糖体で、グルコサミノグリカンの一種。結合組織に分布し、眼球硝子体液・関節滑液中などに含まれます。)の有用性のブラジル人の調査の研究員(10)。 作者は、「ヒアルロン酸(訳注:直鎖状の高分子多糖体で、グルコサミノグリカンの一種。結合組織に分布し、眼球硝子体液・関節滑液中などに含まれます。)―膀胱腫瘍の最初の評価のための最善のマーカーであることに加えて、残存腫瘍の存在を決定するために使用され得ます。これは病気からの生存及び回復の予測が良くないことに関連します。...さらに、血尿は、尿中のヒアルロン酸の含有量に影響しないようです。....膨張圧細胞診、FISH(蛍光in situハイブリッド形成法(訳注:染色体上の特定遺伝子配列の局在を蛍光色素で標識した探査用物質により検出する方法))及びNMP22のようなほかの腫瘍マーカーは、器械使用によって影響されるかもしれず、したがって、これほど早く評価されることはできませんでした。」と結論を出しました。
TUR(訳注:経尿道的切除術)後の尿中ヒアルロン酸の低い数値は病気からの生存及び回復の好意的な予測を示し、おそらく2回目の処置を避けることができました。
研究者たちは、臨床環境においてこの分析評価を使ったより多くの経験及び追跡調査の後で、残存腫瘍を持つ患者だけでなく、早い根治的膀胱切除術を必要とする患者又はこれを遅らさせ得る患者も予測することができるかもしれないことを示唆します。
膀胱がんの初期評価において優れたマーカーであることに加えて、その素晴らしい感度(83.1%)及び特異度(90.1%)(この下のほうで参照されたロクスワー博士の研究によると)のお陰で、ヒアルロン酸(訳注:直鎖状の高分子多糖体で、グルコサミノグリカンの一種。結合組織に分布し、眼球硝子体液・関節滑液中などに含まれます。)の潜在的使用は、追跡調査、予後評価を含み、不必要な介入(訳注:疾病の進行の阻止・緩徐や健康の改善のためにとる手段)を防止し、又は早い根本的な介入が必要な症例を示します(10)。
BLCA−4
ピッツバーグ大学がん研究所の前立腺及び泌尿器学がんセンターの研究部長ロバートH.ゲトゼンベルグ医学博士及び同僚は、核マトリックスのいくつかの構成要素、人の正常な膀胱細胞から膀胱腫瘍細胞を区別するBLCA−4と呼ばれる一つの構成要素を識別しました。影響されていない個人からの正常な試料は、抗体と反応せず、重大なことに、BLCA−4は、膀胱がん患者の膀胱(例:正常及び腫瘍部位の両方において)にわたって存在しているようです。この「部位効果」は、病期(ステージ)又は進行度(グレード)にかかわらず、膀胱のどこにでもある腫瘍の存在を検出するBLCA−4の尿免疫定量法の開発を可能にしました。BLCA−4尿免疫定量法は、100%の特異度及び95%の感度を持っています。ゲトゼンベルグ医学博士によると、その定量法は現在膀胱がんのために高いリスクにさらされている患者の臨床試験においてピッツバーグの研究者たちによって検査されています(1999)(6)。
2005年12月 - 先を見越して決定された中断を使って、膀胱がん患者からの75個の試料のうち67個は、89%の定量法の反応度を結果として生じて、BLCA−4では陽性でした。また、膀胱がんのない人からの65個の試料のうち62個は、95%の定量法の特異度を結果として生じて、BLCA−4では陰性でした。
結論
高い感度及び特異度のはざまであるBLCA−4免疫定量法は、疾患の早期発見及び治療を可能にし、したがって患者の看護を大いに改善するかもしれません(7)。
2004年2月BLCA−4は、疾患の「部位効果」と関連するようで、臨床試験において高い感度及び特異度疾病がない人と膀胱がん患者を分離することができます。BLCA−4は、非常に特異度があり、疾病の発達段階の初期に現れる膀胱がんマーカーです。それは、膀胱がんにおける遺伝子発現の調節において役割を果たすかもしれない遺伝情報の転写因子であるようです。BLCA−4は、疾病において積極的な役割を持つかもしれない重要な臨床の有用性を持つマーカーです。
膀胱がんマーカーの機能的評価
BLCA-4.Van Le TS, Myers J, Konety BR, Barder T, Getzenberg RH.Department of Urology, University of Pittsburgh and University of Pittsburgh Cancer Institute, Pittsburgh, Pennsylvania 15232, USA. JClin Cancer Res. 2004 Feb 15;10(4):1384-91. Free, online article PubMed:14977841
出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
このページは、2006年10月30日月曜日に最終修正が行われました。
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尿マーカー(その9)
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原本:2007.11.10 20:49