尿マーカー(その2)

 感度及び特異度の両方は非常に重要で、それらは、両方とも、検査を受けた集団の特徴又は検査で遮断された数値(陽性となる検査数値及び陰性となる検査数値)などの各種要因によって影響され得ます。多くの偽陰性の結果を伴う低い感度の検査は検査を受けている患者の多くの部分の腫瘍の検出に失敗する一方、多くの偽陽性の結果を伴う低い特異度の検査は不必要な侵襲性又は高価な処置につながり、過度の驚きを起こすかもしれません。

 多くではあるがしかしすべてではない患者は、腫瘍を見逃すよりもむしろ「何もないことに脅え」ていたいと報告しており、したがって、高い感度を伴う検査に最も興味があります(1)。

BTA stat検査及びBTA TRAK分析

 ときどき文献で言及され続ける最初のBTA stat検査(訳注:bladder tumor antigenの頭文字。膀胱腫瘍抗原(特異的に反応する抗体や感作リンパ球の産生を誘発する物質)は、膀胱腫瘍に関連する分析物を検出するラテックス凝集試験(訳注:抗原の担体としてラテックス粒子を用いる凝集反応試験)であり、すでに米国では広く行われていません。それは、かなり良い感度及び特異度によって相当に改善された応用科学に基づいた二つのより新しい検査によって置き換わったことに注意することは重要です。

 新しい検査の両方は、いくつかのヒトの膀胱がん細胞系統(訳注:系統とは選択交配などにより人為的に遺伝性質を保持された株)及びヒトの膀胱がんによって産出されるが、ほかの上皮細胞株(Kinders、Clin Cancer Res 4:2511、1998)によって産出されないことが明らかになったヒト補体因子H様タンパク質(hCFHrp)を検出します。因子Hは、身体の自然な免疫系から腫瘍細胞を保護するために機能作用すると考えられています(Corey、J Biol Chem 275:12917, 2000)。BTA stat及びBTA TRAK検査の両方は、膀胱がん患者及び主治医に貴重であるけれども少し異なる情報を提供することができます。

 BTA stat検査は、家庭での妊娠テストに類似している使い捨て型式で提供される定性(陽性又は陰性)検査です。それは尿の5滴を使い、患者の窓における着色された線の外観によって5分以内に読み取られ得る一方、着色された線は「検査」窓の中で検査が適当に行われていることを示すようです。この検査は、臨床検査室、まさに医師の診察室又は医師の配下職員の処置室若しくは膀胱がん患者の自宅においてでさえ(医師の処方により)使用することが米国内で承認されています。今までのところ、それはこのステータスを持つ米国の唯一の腫瘍マーカーです。医師又は患者によって操作される唯一利用が可能であり、非常に敏感で、早く、使いやすいことのほかに、この検査はほかの診断検査又は細胞学よりかなり高価でありません。

 BTA TRAK分析は定量的な免疫学的検定法であり、hCFHrp(訳注:ヒト補体因子H様タンパク質)水準を数字で表した結果を提供します。NMP22検査のように、尿は、検査が専門的技術者によって行われる検査機関に送られなければなりません。具体的な水準の情報に加えて、BTA TRAK検査の利点は、CFHrp(訳注:ヒト補体因子H様タンパク質)の上昇又は下降を監視する能力です。

 多くの臨床研究は新しいBTA検査によって行われています。ほとんどの報告は「感度」及び「特異度」の用語で所見を述べます。手短に言えば、感度は正しく陽性の試料を識別する検査能力であり、特異度は正しく陰性の試料を識別する検査能力です。

BTA stat検査研究

 最近の研究(2000年6月)と今までのその種類の中で最も大きなものにおいて、ライタンネンは総合的感度をBTA statは82%、細胞学は30%として報告しました(Raitanen, J Urol 163:1689、 2000)としての細胞学の総合感度を報告しました。別の研究において、ポデは病期(ステージ)T2又はこれ以上で進行度(グレード)IIIの腫瘍及び2cmより大きいすべての腫瘍における100%のBTA stat感度を報告しました(Pode, J Urol 161:443, 1999)。BTA stat検査の特異度は、72〜95%(Sarosdy, Urology 50:349, 1997)及び健康な人における98%(aitanen, Scand J Urol Nephrol 33:234, 1999)として報告されています。

BTA TRAK分析研究

 一つの研究において、BTA TRAK分析の総合感度は75〜97%の特異度を伴う72%として報告されました(Ellis, Urology 50:882, 1997)。ヘイカッペルは再び健康な人における97%の特異度を伴う72%の総合感度を報告しました。彼はまた、BTA TRAKの水準は、低い及び中間的な進行度(グレード)の表在性がんと比較するとかなりより高いプログレッション(訳注:前癌状態の細胞が不可逆的に悪性度を高める発癌過程の一つ)の高いリスクにさらされている表在性膀胱がんの腫瘍の病期(ステージ)及び進行度(グレード)を反映することを報告しました(Heicappell, Eur Urol 35:81, 1999)。

 出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
 このページは、2006年10月30日月曜日に最終修正が行われました。
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尿マーカー(その3)
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原本:2007.11.10 20:47
 
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