第一選択療法としての放射線療法・膀胱温存プロトコル(訳注:患者の摂生治療遂行の詳細なプログラム)(その2)

短距離放射線療法

 経尿道的切除術、膀胱への1コースの外部照射療法及びイリジウム―192インプラント(訳注:治療目的で体内に挿入される容器入りの放射性物質)処置(訳注:イリジウム192密封小線源組織内照射)から成る併用接近方法の評論で、Moonenによって導かれたオランダの研究は腫瘍のサイズに関して5cmより小さい腫瘍がある63名の患者のT1G3及びT2−T3aの膀胱がんの膀胱温存療法の効力及び安全性を調査しました。平均4.2年(3か月〜7.2年)の追跡調査後、42名の患者が腫瘍はなく生きていました。保険統計の5年生存は66%でした。作者は、イリジウム192密封小線源組織内照射を使った膀胱保存は、膀胱がん患者の選択された集団において効果的で安全な処置で、根治的膀胱切除術の優れた取り得る選択肢であると結論を出しました(6)。

 前記の膀胱温存プロトコル(外部線源放射線療法(EBRT)及び組織内放射線療法の後に続く経尿道的切除術)の使用を評価した別のオランダの研究において、発達の第一段階にある孤立性の筋層浸潤性膀胱がんの66名の患者について、Wijnmaalen及び同僚は、6年(26か月の中間追跡調査)後の諸結果を見ました。5年間の膀胱がん再発がない可能性は88%でした。膀胱は生存している患者の98%において保存されました。転移は16名の患者に起こり、5年間の転移がない可能性は66%でした。全体の累積5年間の膀胱がん再発と遠隔転移がない生存はそれぞれ48%と69%でした。急性的な毒性は大多数の患者の場合、深刻でありませんでした。
 結論
 経尿道的切除術及び外部線源放射線療法(EBRT)に先行する細胞組織内照射は、筋層浸潤性膀胱がん患者の選択された集団内において、膀胱温存の高い可能性がある優れた膀胱腫瘍制御率をもたらします。生存は主に遠隔転移の発生に依存していました。深刻な急性及び遅発性の毒性は希でした(7)。

2005年更新

 「浸潤性膀胱がんの中の臓器温存:短距離放射線療法、膀胱摘除術及び集学的療法の代替方法?」

 オランダの研究者たちは、膀胱がんの治療における短距離放射線療法を行った膀胱保存の長期結果を最近発表しました。

 方法及び患者
 1987年から2000年までの間で、108名の病期(ステージ)がT1−G3及T2−T3aの膀胱がん患者は、短距離放射線療法(40グレイ)の後に続く経尿道的切除術(TUR)及び1コースの外部照射療法(15分割における30グレイ)によって治療されました。すべての腫瘍は直径5cm以下の孤立性病変でした。追跡調査の中央値は54か月(範囲:1〜178か月)でした。

 結果
 5年と10年の全体生存率はそれぞれ62%と50%でした。5年と10年の疾病固有の生存率はそれぞれ73%と57%でした。保険統計の局所管理率はそれぞれ5年の73%と10年の73%でした。膀胱を保存した患者の5年と10年の疾病固有の生存率はそれぞれ68%と59%でした。長期に生存している患者のすべてのうち90%は生まれつきの膀胱を保存しました。治療は十分に耐性がありました。急性の毒性はゆるやかでした。2名の患者が重大な遅発性の毒を経験しました。1名の患者が持続的に膀胱及び皮膚の間の瘻孔を発症し、尿道及び尿管の狭窄を起こしました。

 結論
 孤立性で臓器内に閉じ込められた5cm以下の浸潤性膀胱がん患者にとって、短距離放射線療法による膀胱保存は根治的膀胱切除術及び集学的療法への優れた代替方法です。Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2005 Mar 1;61(3):678-86. 浸潤性膀胱がんにおける臓器保存:短距離放射線療法、膀胱摘除術及び集学的療法への代替案?Pos F, Horenblas S, Dom P, Moonen L, Bartelink H. Department of Radiotherapy, The Netherlands Cancer Institute/Antoni van Leeuwenhoek Hospital, Plesmanlaan 121, 1066 CX Amsterdam, The Netherlands.PMID: 15708245

2002年更新

 「短距離放射線療法による膀胱温存:治療目的で体内に挿入される放射性物質埋め込み技術と結果」

 目的
 アルンヘム放射線療法研究所の孤立性膀胱がんに対する短距離放射線療法処置結果を分析し、報告すること。

 方法及び患者
 1983年1月から1998年10月までの間で、孤立性膀胱腫瘍の63名の患者は、経尿道的切除術、外部線源放射線療法(EBRT)及び細胞組織内照射の組合わせによって治療されました。膀胱保存療法の適応(訳注:ある種の治療が行なわれるべきことを示す症状又は疾患)は5cm以下の腫瘍、T1G3(n=14)、T2G2(n=8)、T2G3(n=37)及びT3a(n=4)でした。体内に埋め込まれた放射性物質の処方された投与量は、3.5グレイ(n=58)の3〜4分割の小骨盤外部放射線療法と組合せた55グレイ(50から65グレイまでの範囲)照射又は2グレイの外部照射線療法(n=5)の20分割という組合せの30グレイ照射のいずれかです。短距離放射線療法は1995年(n=48)まで2−8のセシウム137針で行われ、と1996年(n=15)以降は2−5の後充填法カテーテル(イリジウム)192で行われました。追跡調査の膀胱鏡検査は、最初の2年間は3か月間隔、それから3年間は6か月ごと、及び5年後は年1回行われました。追跡調査の中央値は、4.9年でした。

 結果
 20名の患者が局所再発し、そのうち6名は「真正のインプラント(訳注:治療目的で体内に挿入される容器入りの放射性物質)における再発」であり、12名が膀胱内の2番の再発、及び2名が尿路の再発でした。すべての再発は治療後2.5年以内に起こりました。これら20名の患者のうち、13名は膀胱摘除術を受けました。5名は疾患がない状態になり、1名は手術後の合併症で死亡し、2名は局所転移そして4名は遠隔転移で死亡しました。5年間の病気固有の生存率は病期(ステージ)T1患者は80%、病期(ステージ)T2患者は60%でした。局所管理率は全患者集団における70%で、と救済膀胱摘除後は80%でした。44名の膀胱が保存されました。急性合併症は14名の患者で見受けられ、深刻な遅滞性合併症は起こりませんでした。

 結論
 この治療技術の使用によって、5cm以下の孤立性腫瘍という選ばれた患者集団において、膀胱保存及びわずかな毒性だけの高い治癒率を得ることができます。
 Van der Steen-Banasik EM, Visser AG, Reinders JG, Heijbroek RP, Idema JG, Janssen TG, Leer JW. Joint Center for Radiation Oncology, Arnhem-Nijmegen, Radian-Arti, Wagnerlaan 47, 6815 AD Arnhem, The Netherlands. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2002 Jul 1;53(3):622-9.PMID: 12062605

 出典が示されているもの以外は、ウェンディ・シェリダンが執筆又は編集したものです。
 このページは、2007年11月7日水曜日に最終修正が行われました。
 This is a tentative Japanese translation of Bladder Cancer WebCafe. http://blcwebcafe.org/radiation.asp

放射線療法(その3)
トップ 5 治療の選択肢

sこのサイトを紹介
w管理者へのメール
452550
原本:2007.09.27 09:13
更新:2008.05.20 11:05